願かけ絵馬の考現学
〜第四十五講〜








  結婚二年目を八月八日でむかえます。
今結婚から離婚に向かっています。
どうかこれからも二人で
頑張って行きたいです。
仲を元に戻して下さい。
以前のようになりたいです。
7月23日
富本圭子
[新潟市 白山神社]
  うーん。
圭子さんは、どうも非常に厳しい状況に立たされているようである。
事態の深刻さとは裏腹に、
「結婚から離婚に向かっています」
など、ユーモラスな雰囲気も漂わせる願文であるが、もちろん、圭子さんご本人にとっては非常に辛いことである。
その原因が奈辺にあるのか、この願文からは推し量る術もない訳であるが…。。
8月8日で結婚2年目を迎えるというのは、普通に解釈すれば、その日が満2周年ということだろう。
その日から2年目に入る、という意味かも知れない。
ということは、結婚後2年、あるいはひょっとして1年もたたないうちに、ふたりの仲がおかしくなっている訳である。
ものの本によれば、我が国では今、結婚後5年未満の離婚というものが急激に増えているのだそうだ。
少々、薀蓄を傾けると、2001年の離婚件数は28万5千件で過去最高、そのうちの10万2千件が5年未満離婚だという。
事情通の話では、要するに仕事と家庭とか、子育てとか家事とかで、まるで価値観が違う男女が、そのあたりを確かめる間もないまま結婚し、いっしょに生活するようになるや、たちまち価値観の相違が露呈して、破綻に至るケースが多いそうである。
不幸にも、圭子さん夫婦も、そのようなケースのひとつになりそうな雲行きである。
先ほど、ユーモラスな雰囲気も漂うと書いたが、じっくり読めば悲痛な叫びとも言えるものも見て取れる願文であるし、圭子さんご自身は、たいへん真面目な性格のようでもある。
新潟の総鎮守・白山神社の神様は、何でも加賀白山権現の女神で、縁結びの神様だそうである。
境内には、立派な結婚式場なども整備して、この方面でしっかりと稼いでもいる。
「富本夫婦は、うちで式を挙げたんじゃないだろう」とか、「一度、挙式済みだから、あとは知らないぞ」などと、イケズなことは言わないで、ぜひ圭子さんの願いを聞いてやってほしいものである。
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