願かけ絵馬の考現学
~第三十六講~

願かけ絵馬の考現学

ホームへのリンクボタン 口上ページへのリンクボタン 読前の注意ページへのリンクボタン 目次ページへのリンクボタン
絵馬のアイコン写真

看護婦として

人々の健康の保持増進に

尽くすことができますように。

石巻赤十字看護専門学校 
須藤朋子 
[石巻市 羽黒山鳥屋神社]

願文だけ読むと、職業人として自らの使命を全うしたいという、ごく真面目な願いである。
「人々の健康の保持増進に尽くす」なぞ、なかなか素人に言えるセリフではないのである。

だが、絵馬の奉納者のところを見ると、何のことはない。
須藤朋子さんは、まだ職業人になっていない。
これから、看護婦(これは朋子さんかそう書いているからであって、筆者としては「看護師」と認識している)をめざそうという看護学校の学生さんなのである。

つまり、願文の主意は、最初の1行に隠されていたのだ(少し、大仰だが)。
要するに、看護婦(前記に同じ)になりたい、看護師試験に受かりたいという祈願なのである。

もちろん、須藤サンに、看護婦(前記に同じ。くどいか)になりたいのは人々の健康の保持増進に尽くしたいからだという、大きな願いがあることは否定しない。 しかし、当面の願いは看護婦(前記に同じ。しつこ過ぎるか)になること、看護師資格の取得にあることは、ご本人も認めるのではないだろうか。

察するところ、「人々の健康の保持増進に尽くす」というのは、学校の教科書か何かに書いてあった言葉であろう。
看護師心得十か条みたいなものがあって、その3番目の定めなのかも知れない。

どちらでもいいが、それをこういう願文に持ち出して、自分の高潔な大志を強調する手法、ストレートに「看護師試験に合格させてください」と書かないやり方というのは、神様にちょっとでも良く見てもらおうとしたのかも知れないが、少々素直でないようにも思われるのである。
まあ、他人の性格の素直さを云々する資格など、筆者にはまったくない訳であるが。

第三十五講 目 次 第三十七講
紛らわしいが、大きいのが
各ページへのリンクボタン

ホームへのリンクボタン

「あんぐりドッキリがっくり」アニメ

口上ページへのリンクボタン

「考現学」アニメ

読前の注意ページへのリンクボタン

「あんぐり考現学」アニメ

目次ページへのリンクボタン

ホームへのリンクボタン 口上ページへのリンクボタン 読前の注意ページへのリンクボタン 目次ページへのリンクボタン

管理人への苦情・ご意見など、ご連絡は
連絡フォームから。

【リンクサイト】
別に何がどう、という訳ではないが…。

WSサービス
個人の文章作成を支援してくれるらしい。

日本語いちゃもん帳
偏屈オヤジが日本語の乱れを激しく糾弾している。