願かけ絵馬の考現学
第二








  吉田さん(みたいな人)と
今年、結婚できますように。
お願いします。

  山崎 仁美 
[京都市 地主神社]
  こういうのは、どう解釈したら良いのであろうか。 いや、余計なお世話であることは百も承知なのであるが…。
それにしても「(みたいな人)」というのは何なのか。
思うに、この仁美さんには吉田クンという恋人がいて、彼女は早く結婚まで漕ぎつけたい訳であろう。
だからこそ、こうして縁結びの神様にお願いをしている。
ところが、そこに「(みたいな人)」と注釈が入ってしまう。
彼女の熱い恋心にも関わらず、吉田クンとの結婚は無理な情勢なのだろうか。
彼女は仕方なく、吉田クンその人との結婚は諦めても、せめて彼のような人と結ばれたいと…。
だったら、カッコは何なんだ、カッコは!
…いや、つい興奮してしまった。
だいたい、神様にお願いするのである。
吉田クンと結婚したいなら、そのようにしっかりお願いすれば良いではないか。
それをカッコ付きで「(みたいな人)」とやる。
吉田クンとの結婚は、95%±3%の確率で無理だろうから、ほぼ諦めて他をお願いするけれども、吉田クンとの間も何とかなるなら何とかしてくれないかという、いわゆる両面作戦なのか。
まあ、そういう両面作戦のような願かけというのは、結構多い訳である。
同じ神社に奉納されていた願かけ絵馬で、
大好きな○○ともう一度縁があって
よりをもどせますように。
もしどうしても無理なら、また○○のようないい人に縁があり出会えますように。
というのもあった。
これも結構ムシのいいお願いではあるが、しかし、言うことに一応スジが通っている。
両面作戦というより、二段構えである。
カッコ付きですまそうとしていない。
とにかくカッコ付きは良くない。 ヒトを馬鹿にしているのである。
怒れ!吉田クン。
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