願主はもちろん松田義弘氏である。

自分の姓名を冒頭に記して、いきなり理想の女性像あるいはその条件を延々と書き連ねている。
神前結婚式の営業もしているとは言え、住吉大社の神様は縁結び専業という訳ではないのだから、せめて「良縁祈願」とか何とかの前置きが欲しいところであるが、まあ、それは良い。
カッコの開きと閉じが対応していないのも、どうということはない。
幾ら何でも、それは欲張り過ぎだろうというくらい、手前勝手な都合の良い願望を羅列しているのも、こうした願文にはよく見られることである。
「独身か子供持ち」という訳の判らない比較をしている点も、自分で疑問符を付けているのだから、許そう。
単に亭主持ちでないということを言いたいだけなのであろう。

気になるのは、この松田義弘なる願主は何歳くらいの人物か？ということだ。
「心」となるべき部分の点がひとつ抜けてはいるが、「聡明」なんていう言葉も漢字で書いているところを見れば、また、そういう言葉を使うところを見ても、中学生や高校生ではないだろう。
最初に「若くて美人で」と書きながらも、最後に「長命」を条件にあげているという点を考慮すると、中年以降か。
つまり、自分の老後の面倒まで見てほしいというのだろう。

かなり厚かましいと言わざるを得ないが、近頃はこういう心配をする御仁も多いはずだ。
しかし、そういう推定年齢と願文内容とが、あまりにも乖離している。
いくらお願いするだけならただとは言え、老後の心配までする割りに、願いの内容に現実感が欠落している。リアリティがない。

余計なことを言うようであるが、こういうものの考え方では、たとえそういう相手と遭遇しても、見向きもされない恐れがある。
他人事ながら、松田氏には今少し、自制と熟慮を求めたいと思うが、いかがであろうか。