願かけ絵馬の考現学
〜第五十六講〜








  平成9年
八白本厄・方位南
本命的殺方位
宅神凶
玄関 西南 ウラキモン 女キモン
トイレ 北東 表キモン 男キモン
和歌山市××××
中西真里
中西佳代子
[和歌山市 紀州東照宮]
  陰陽道などというものは、信奉する人にとってはこれ以上ない重要なものであるが、そうでない、たとえば筆者のような者には、ほんとうに何のことだか判らない。
ある年に生まれたある人には、ある年の、ある方角が縁起が悪いとかどうとか言うらしいのであるが、筆者などには、は?へ?というものである。
だから、この絵馬に書かれた願文も、何のことやらさっぱり不明だ。
そもそも、これは願文なのか?
奉納されたのが何年か判らないが、ともかく平成9年という年に、どの方角が良いとか悪いとか、家の玄関の方角がどうだこうだと書いてあるのだろう。
だが、それだけである。
だから、どうなのだ?と言わざるを得ない。
ちなみに、少し調べてみたら、陰陽道では家の北東に玄関や水まわり設備を造るなと教えているらしいが、この願文もどきでは、「玄関 西南」となっているから、それで良いのであろう。
いったい、何がお願いなのか?
紀州東照宮の祭神・徳川家康公も、さぞ困惑なさっているに違いない。
さらに、そういう願文の内容以上に訳が判らない、というか、むしろ恐ろしいのは願主が連名になっていることだ。
おそらく親子、母と娘であろう。
母と娘が、そろってこういうものに凝っている家庭、その家のオトーサンの苦境、心痛たるや、いかばかりであろう。
同情に堪えないのである。
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