願かけ絵馬の考現学
~第九十講~

願かけ絵馬の考現学

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絵馬のアイコン写真

家内円満
八方ふさがり解消
孫たち健康

和也 
[岐阜市 伊奈波神社]

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八方ふさがり
家族
ファミリー円満

竹野家 
[岐阜市 伊奈波神社]

絵馬のアイコン写真

八方ふさがり
夫婦円満
健康保持

和仁 代理和也 
[岐阜市 伊奈波神社]

すべて同じ筆跡である。
絵馬の木肌の状態から見て、奉納されたのも同じ時期だ。
願主は「和也」「竹野家」「和仁 代理和也」と違っているが、要するに、おそらくは竹野和也なる人物が、一括して奉納したものであろう。
二枚目と三枚目の「八方ふさがり」に「解消」が抜け落ちているのは、和也氏の焦りのなせる業というより、切羽詰まった閉塞感の現れであろう。
その和也氏には孫もいる。
おそらく和仁氏というのが息子で、和也氏が健康を願う「孫たち」というのは、その和仁氏の子供たちであろう。
三世代同居、というやつであろうか。

しかし、どうもその家庭の雲行きがおかしいようだ。
八方ふさがり、というのであるから、よほど悪いことが重なっているのだろう。
夫婦円満を願う絵馬の、形式上の願主が和仁氏になっているのであるから、円満でないのは、いや少なくとも和也氏が円満を願う夫婦というのは、和仁氏夫妻であろう。
息子の夫婦仲が今ひとつで、父親が代理でその円満を願掛けしているのである。
この願文の状況から、その逆の関係というのはまあ、あり得ないだろう。

いくつになっても、また、男同士でも、子供というのは可愛いものである。
だが、和也氏が嘆く八方ふさがりとは、その他にどういう状況なのであろうか。
まことに勝手な、そして確たる根拠もない筆者の想像だか、この願文のようすからは、家族の誰かが重篤な病気であるとか、ましてや可愛い孫の健康が思わしくないといった状況は読み取れない。

「家庭」「家族」「ファミリー」という円満祈願対象から考えて、息子の夫婦仲の問題のほかには、いわゆる嫁・姑問題があるのかも知れない。
いくら匿名性の高い願掛け絵馬でも、自分の家に嫁・姑問題がある、とはなかなか書きづらいはずだ。
実際、その二大問題が同時進行していたら、3世代同居家族のお爺ちゃんとすれば、やりきれない心境であろう。
そして、その夫婦仲の悪さの主因が嫁・姑問題だとしたら、これは厳しい。

しかし、そうだとしても、八方とまでは行かないはずだ。
和也氏を苦しめる八方問題とは、いったい何か。
おおいに気がもめる、もとい、探究心を刺激する絵馬セットではある。

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紛らわしいが、大きいのが
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